―――わぁ、にぎやかですね。家族構成を教えてください。
私と夫、長男、次男、三男、長女、四男。あと夫の母が同居してくれています。
―――お仕事は何をされているんですか。
高校の養護教諭をしています。今は四男の育休中です。夫は看護師です。
―――お二人ともバリバリ働いていらっしゃるんですね。
私は勤務地が加茂、夫は三条なので朝は早いですね。それに加えて夫は夜勤もあって2交代制なんです。なんとか子育てができているのは、夫の母がいてくれるおかげです。
―――お二人の出会いはどちらで?
大学が一緒だったんです。私の実家は宮城県にあるんですけど、新潟の大学に進学したので。卒業後は遠距離恋愛で、一旦は宮城で就職したんですけど…。
一孝さん:「もう1回新潟で採用試験を受けてくれないか」とお願いしました。
―――ステキですね。それがプロポーズの言葉だったんですか?
一孝さん:「いえ、プロポーズは別にちゃんとしました(笑)」
―――ところで、お子さんが5人。少なくはないですね。
男の子が続いたので、女の子が誕生するまではと頑張りました。
―――でも、その下に四男くんが。
はい、授かりました(笑) この四男を上の子たちがすごくかわいがっていて、「もう1人産んで」 って言われています(笑)
―――これだけ大家族になると、帆苅家ならではのルールや決め事みたいなものってあるんですか?
とくにルールとして決めているわけではないのですが、自然と「何でも5人で分ける」というのが当たり前になっていると思います。それと、話し出した順に1人ずつ話を聴くとか。一斉に「聞いて聞いて」って話し出すんですけど、当然聞き取れないので、最初に話し出した人から順番に、ってことにしています。
そうそう、お手伝いも分担が決まっていますね。長男は2階の床掃除、次男は玄関と階段、トイレというふうに各自の分担を決めて、ふだんは土日、夏休み等は毎日やってくれています。掃除の仕方一つでもそれぞれの個性が出て面白いです。いつまでも丁寧に拭き拭きする子もいれば、ちゃちゃっと要領よく済ませちゃう子もいて、性格が出ますね。
でもうちの子育ての基本はフリースタイルで、社会的ルールを破らなければ何でも好きにやってみようという感じです。
―――お二人が仕事の時は、お子さんたちはどうされているんですか?
おばあちゃん(夫の母)がいてくれるので、子どもたちだけになることはまずないです。ほんと助かってます。
―――ちなみに1日にご飯ってどれくらい炊くんですか?
朝と夕に3合ずつで6合ですかね。お昼にチャーハンを作る時なんかは、それだけで4合炊いても足りなかったりします。今はまだ子どもたちが小さいのでそれくらいで済んでますけど、この先こわいですね(笑)
―――ご家族で休日に遊びに行く場所は?
近場では県立植物園とか、よこごし公園とか、あと東区の寺山公園なんかもよく行きます。植物園の外に大きな池があるじゃないですか。あの池を挟んであっちとこっちで大声で話したりしてますよ。遊びに行く時はだいたい家族みんなで行くからにぎやかですよ。
―――にぎやかで楽しいご家庭で過ごす中で、やっぱり大変なこともあるのではと想像しますがいかがですか?
現実的な話ですが、やっぱりお金はかかります。あと、気にかかることがあって保健師さん等に相談した時に、子どもが多いから愛情不足なんじゃないかって言われて悩んだこともありました。1人ずつにかける愛情が足りてないのかな、子どもたちに申し訳ないなって。参観日なんかも大変ですよ。あっち行って、次はこっち行ってって。
―――大変なことを話しながらもとても明るい笑顔でいらっしゃるのは、それに代えがたいハッピーなことも多いのでは?
そうですね。なんと言っても空気が悪いことがないです(笑) 疲れて帰って来ても誰かが笑っているので。
大人数だからこそ、それぞれが助け合える存在になっていることが大きいかなぁと思います。いつも誰かが誰かのサポーターです!
夫は『イクメン』の先駆けだと思っています。幼稚園のお迎えや参観日の参加率はわたしを優に上回りますし、公園遊びや病院巡り、子どもたちのお風呂や寝かしつけも当たり前にこなしてくれます。
そして、40歳目前での出産後、私を救ってくれたのは子どもたちでした。夜泣きをしている息子に気付いて、寝不足の私を起こさないように夜中に1人でそっとオムツを替えてくれた次男。私の誕生日の日には、三男が家族全員分の洗濯物を畳んでくれていました。少しいびつに畳まれた洗濯物が愛おしかったです。一晩中夜泣きが続き、いつもの時間に起きられなかった私に代わって弟たちの朝ごはんの支度をしてくれたのは長男でした。息子たちそれぞれの成長を感じると同時に、行動に滲み出る優しさにジーンとしちゃいましたね。いつもわがままな長女は、私がため息をつくと必ず『大丈夫、大丈夫!ひなちゃんが守ってあげるから』と背中をさすってくれますし、四男は、目が合うだけでいつも満面の笑みを返してくれます。その笑顔ひとつで、『あぁ、この子たちのお母さんになれて幸せだなぁ』と感じます。子どもたちの成長を間近で見ることが出来て、それを夫と一緒に面白がれるって本当にハッピーですよね!しかも5人分!笑
爪を100本切ったり、耳を10穴掃除したり、朝から晩まで怒鳴ったり、お昼に腱鞘炎になりそうな量のチャーハンを炒めたり…一体自分が何をしているのかわからなくなる日もありますが、スーパーサポーターのおばあちゃんの助けもあり、毎日楽しく過ごせています。たぶん…大変さより、面白い!が上回ります。
子育てがひと段落した友だちが、推し活を始めているのを見て、うらやましいなーと思うこともありますが、私はもうしばらく 『5人の推し』 のためにがんばっていきたいと思います。
( 終 )