―――家族構成を教えてください。
私と17才で高校3年生の長女、8才で小学3年生の次女の3人です。
―――お仕事は何をされているんですか?
保育士をしています。
―――ずっと保育士として働いてこられたんですか?
いえ、高校を卒業して、一度は普通に就職して会社員をしていました。その会社員時代に結婚して、長女を出産したんですけど、元々保育士になりたいという思いは子どもの頃からあって。長女を育てる中でやっぱりなりたいなって思いがますます大きくなってそこから通信制の専門学校に入学し、保育士の勉強を始めました。
―――会社に勤めながらですか?
そうです。仕事をしながら勉強もしつつ次女を妊娠し出産も挟んだので、専門学校に入ってから卒業し国家資格を取得するまでトータル4年かかりました。実際に保育士として働き始めたのは、次女が1才になるちょっと前くらいだったので、今9年目です。
―――その頃にはもう離婚をし、シングルマザーとして、1人で育児をがんばっていらしたんですよね?
はい。シングルだと、経済的な部分ももちろんですが今日こんな事ができるようになったんだよ、とか、そういう話をして子どもの成長の喜びを共有する相手がいないというのが淋しかったですね。送り迎えとかも全部自分でしなくちゃいけないので、大変でした。子どもが熱を出したとか、そういう緊急時には私の父や母が代わってくれたりもしたんですが、両親ともまだ現役で仕事をしているので、あまり頼るのも申し訳なくて。
―――あいさんは保育士として他の方のお子さんたちのお世話をしているわけですが、それはご自身の子育てにもかなり活かされているんじゃないですか?
それ、よく聞かれるんですよ。確かに活かされることもありますが、園でお預かりしているお子さんたちに対しては仕事としてお預かりしているのでいつでも落ち着いて接することができますし、寛容になれるんです。うんうん、そうだねって。でも自分の子に対しては、自分が疲れていたり忙しかったりするとイライラしちゃって寛容になれないことも多くて。反省することがよくありますよ。
―――子育てで印象に残っている失敗談なんてありますか?
失敗というか、次女を妊娠している時に切迫早産で3ヶ月ほど入院したことがあって。その当時長女がまだ小学2年生で一人でお留守番をがんばってくれたんですよね。もちろん、母の世話にもなったんですが、学校から帰ってきても母はまだ仕事なので、1人きりで留守番をして、食べる物もなかったりして。「お腹が空いた、ママに会いたいよ」ってよく電話をかけてきて。その声を聞くと切なくて申し訳なくて病室でよく泣いてました。
その時のことを思い出すと今でもダメですね。涙が出ちゃいます。
―――そんな経験をして頼れるお姉さんに成長したのでは?
そうですね。次女とは年が離れていることもあって、小さいお母さんというか、しっかりしているのでこの頃は私の相談にも乗ってくれたり、むしろお父さんみたいな存在かもしれません。次女にも私にもさりげなく寄り添って支えてくれる頼りになるお姉ちゃんです。
―――では逆に子育てでうれしかった事はどうですか?
子どもたちが、お手紙を書いてくれるんですよ。いつもありがとう、ママ大好き、とかそういうの。どんな紙に書いてある物でも捨てられなくて全部とってあるんですよ。私の宝物です。
あと、ママの料理が一番美味しいって言ってくれるのがうれしいですよね。家で作る料理は、中華料理の素とかは使わずに一から自分で作るんです。手間は少しかかるんですけど、以前は私の母や妹達の分も作っていたので素を人数分買うと割高になる上にたくさんの量が作れないので、節約も兼ねて素を使わずに料理をするようになって、それが当たり前になりました。誕生日のケーキも子どもが望むキャラケーキを探して買うより自分で作る方が節約にもなるし要望通りのものにできるので毎年手作りしています。とても喜んでくれるので、作った甲斐がありますね。
―――休日は一緒にお出かけしたりするんですか?
長女は勉強やもう友達との付き合いの方が優先ですけど、次女とは公園やいくとぴあ、マリンピアなどによく行きますよ。あと、母や私の妹、家族も含めて8人くらいで、年に何回かUSJやディズニーなどのテーマパークに行くんです。それがすごく楽しみですね。
―――最後に、これから先の夢や抱負などあれば教えてください。
長女が高3で受験生なので、希望する大学に合格して、好きな道に進んでほしいと願っています。次女は、最近ミニバスを始めたので、これからがんばって活躍してくれたらいいなあと思います。やりたい事に夢中になって取り組む子ども達のイキイキした表情を見ていると胸がいっぱいになるっていうか、本当に嬉しくなります。私も頑張らなくっちゃなぁって思います。そうですね、いいお相手がいれば結婚して子どもが手が離れた後、一緒にのんびりと仲良く過ごしたいです。
( 終 )